戦争の痕跡を見る (No.2)

By , 2018年5月20日 8:54 PM

圓明寺の石の釣り鐘 泉3丁目2
圓明寺は旧鍋屋町に面して山門がありますが、戦前は前回紹介した養念寺の南の敷地と地続きでした。現在の圓明寺は伊勢長島松ヶ島より元和7年(1621)に現在地に移転、明治34年に山門、鐘楼、本堂、庫裏が建立されましたが、昭和20年3月の名古屋空襲で被災、山門、鐘楼のみが焼け残りました。この折昭和16年に発令された金属類回収令により翌年には圓明寺の銅製の釣り鐘も供出され、代わりに石で造られた鐘が吊るされました。戦争が終わり復興とともに石の鐘を降ろし、銅の鐘を吊るす計画が起こりましたが、当時の住職は石の鐘を吊るすことにこだわったといいます。「人間少し生活が良くなると見栄を張り、石の鐘を降ろそうとする。石の鐘にしたらたまったものではありません。」と云われたそうです。平成27年には山門の横に「戦争の記憶を後世に残すため」「平和を見守り続けるため」と説明された表札が建てられました。今回は戦争の痕跡ではありませんが、戦争の記憶を思い出す「石の釣り鐘」を取り上げてみました。

DSC00881石鐘 IMG_1819鐘楼
  写真の上でクリックすると文字が読めます   全国でも非常に珍しい石の鐘です

★参考資料 名古屋市史・圓明寺境内「石の鐘」説明文

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