川上貞奴ゆかりの地「茅ヶ崎市美術館」を訪ねて
東区文化のみちにある橦木町には電力王と云われた福沢桃介と日本初の女優と云われた川上貞奴が共に暮らしたという「文化のみち二葉館」があります。二人はここで大正9年から15年までの6年間を過ごしました。
東京日本橋葭町の芸者であった川上貞奴は実業家福沢桃介のパートナーとなる以前、福岡博多出身の川上音二郎と1894(明治27)年に結婚しました。音二郎は当時の世相を風刺したユニークなオッペケペー節とパフォーマンスで有名な書生演劇の役者でした。二人は1899年には音二郎の金策つきて日本を逃れるように海外巡業に出かけ苦難の末1902(明治35)年8月に欧州から帰国、大金を手にして茅ヶ崎駅近くに本宅を構えました。先に別荘の住人であった九代目市川団十郎を慕ってのことで「萬松園」と名付けられました。1898(明治31)年には東海道線茅ヶ崎駅も開業、この前後から著名人が茅ヶ崎の海側に別荘を設けるようになったと云われています。(参考 茅ヶ崎市美術館図録、パンフレット)
★そんな川上貞奴ゆかりの地、茅ヶ崎にある「茅ヶ崎市美術館」では音二郎没後100年、貞奴生誕140年を記念して企画展が開催中で、訪れました。二人の住まいであった「萬松園」は現在茅ヶ崎市美術館の建っている場所で高砂(タカスナ)緑地の中にあったということです。名残の井戸も見られます。茅ヶ崎といえば湘南の海、サーフィン、芸能人加山雄三、その父上原謙、桑田佳祐など思い浮かびますね。
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かつて「萬松園」のあった敷地内には松林が見られる | 美術館の入り口を入ると音二郎、貞奴の等身大の写真が 来館者を迎えてくれます。 |
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パリ万博の折建てられたエッフェル塔と音二郎、貞奴の ポスター。周囲は川上の文字がデザイン化されている。 |
この企画展のために建てられたモニュメント。 デザイン化された川上の文字が斜めに。 |
★茅ヶ崎市美術館
音二郎没後100年・貞奴生誕100年、記念企画展
会期 9月10日(土)~11月27日(日)
行き方 (列車)東海道新幹線小田原→JR茅ヶ崎駅南より徒歩8分
(車) 東名高速道路厚木インターから40分