「カトリック布池教会」 葵1丁目
「ステンドグラスを見つけよう!」シリーズも今回で最後となりました。この教会は昭和37年建築の2本の尖塔をもつゴシック様式の教会です。名古屋では数少ない中世ヨーロッパの教会建築を模した建物で、正面祭壇上にキリスト像、対面にはマリアと天使、両側をキリストの誕生から昇天までをステンドグラスで描いたまさにアールヌーボー様式のステンドグラスが嵌められtいます。
内部は撮影禁止のためご紹介できないのが残念です。今日は12月25日、キリスト降誕の日です。信者の敬虔なミサが行なわれるはずです。 |
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追記
偶然今日通りかかった東区久屋町(中日ビル北)の「名古屋中央教会」の玄関脇にイエスキリスト誕生の様子を表したレプリカが作られ、道行く人が立ち止まり写真を撮っていました。玄関ドアの上にはクリスマスリースも飾られこの教会でもクリスマスのミサが行なわれるのでしょう。この教会は明治22年現在地に建てられた名古屋で最初のプロテスタントの教会です。現在の教会は戦後建替えられたもので三代目といいます。
クリスマスが終わるとまもなく新しい年となります。今年も「東区を歩こう!」のサイトに入っていただき有難うございました。
来年も新しい話題を探して東区を歩きます。どうぞ良い年をお迎え下さい。
「日本福音ルーテル復活教会」 徳川町2303
徳川園すぐ北にあるこの教会は昭和28年に建てられたプロテスタント系ルター派の教会です。戦後すぐの建築で59坪と規模は小さいですが赤い屋根と「ノアの箱舟」を模した三角形の空間をそのまま見せる骨組みのあるシザーズトラス構造が特徴です。設計は建築家ウィリアム・メレル・ヴォーリズの設計事務所によるものです。ヴォーリズは1905年、滋賀県立商業学校の教師、又伝導師として来日したが近江兄弟社を初めとする多くの事業を行いました。ヴォーリズの建築作品は全国的分布しているが名古屋では残念ながらほとんど見られません。2012年には国登録有形文化財に指定されました。内陣の壁中央に十字架型のステンドグラスを嵌め午後にはこの窓から夕日が差込み十字架が黄金色に輝く。
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舟を逆さにしたような構造部分をそのまま見ることが出来ること から「ノアの箱舟」にたとえられる。 |
十字架のステンドグラスは中央に乳白色のガラス、その周囲を 縁取るようにアンバー(琥珀色)ガラスをはめ込んでいる。 |
★参考文献 「愛知の建築」2011年12月号 瀬口哲夫 復活教会資料提供
「金城学院高校栄光館」
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金城学院はアメリカ人宣教師ランドルフ女子により、東区下竪
杉の町に創立したミッションスクールです。明治33年現在地の
白壁町に移転、この栄光館は昭和11年に落成しました。
3階建ての近代建築で講堂、祈祷室、図書室などを兼ね、階段
室と祈祷室にはステンドグラスが嵌められました。昭和20年の
戦災で焼失は免れましたが、3階階段辺りは直撃弾が落ち、破
壊されました。同24年には修理が行われ透き通るようなステン
ドグラスが復されました。
登録有形文化財、都市景観重要建築物にも指定されています。
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2,3階 階段踊り場に嵌められたステンドグラス |
アールデコ調のブルーを基調とした明るいステンドグラス |
★学校のため、一般解放されていませんが、毎11月3日に行われる「歩こう!文化のみち」では一般公開
されますのでご覧になることができます。
「主税町カトリック教会」
この教会は明治20年(1887)キリスト教布教のため日本に訪れたフランス人宣教師により、当時ここにあったお長屋を買い求め聖堂としたもので名古屋で初めて造られた教会です。東海三県下で最も歴史の古いものです。明治37年礼拝堂を新築、現在の聖堂の原形となっています。大正11年(1922)ルネッサンス風屋根と玄関の三連アーチを増設、戦後は両脇に側廊を増設、この折以下に紹介する八角形のステンドグラスが嵌められました。
その後、何度も修復が行なわれ昭和60年の「昭和の大修復」により、十字架のある尖り塔と円形のステンドグラスが取り付けられました。しかしながら長きに渡った教会の機能も平成24年12月で終えることになったそうです。
十字架のある尖り塔には円形のステンドグラスが嵌められましたが
天井部分の梁が写真に入ってしまい、うまくご紹介できません。 |
戦後、側廊が出来たおり、嵌められた八角形のステンドグラス。
古写真を見ると側廊が出来る以前は祭壇両脇に嵌められていた |
★写真の上でダブルクリックすると大きくなり、良くわかります。現在祭壇の両脇に円形ステンドグラスが嵌められ、この教会では3ケ所のステンドグラスがありますが祭壇前の撮影は遠慮しました。
10,11月は秋のイベントがこの東区でも多く企画されていました。少し、そんな町の様子をお届けしましたが、又シリーズで取上げている「ステンドグラスを見つけよう!」に戻ります。
「名古屋陶磁器会館」
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名古屋陶磁器会館は徳川1丁目(旧東橦木町)に有り、昭和7年名古屋陶磁器貿易商工同業組合の理事長だった井元為三郎により建設された組合事務所です。明治末から昭和初期にかけてこの一帯は陶磁器の絵付け、加工業者が集まっていました。
現在もレトロ雰囲気が注目され、昭和初期の絵付け加工された製品、輸出されていた陶器などが展示されています。又絵付け教室も行なわれています。 |

★玄関を入り、内扉の欄間とホール天井にはアールデコ調の幾何学模様のステンドグラスがはめられています。現在は「文化のみち橦木館」となっている井元邸と良く似たデザインであるのはやはり、この建物が井元為三郎の意向によるものではないかと思われます。白磁をイメージした白色の三角模様は鱗(うろこ)文様として日本では蛇や蝶を連想して、脱皮を表し、厄を落として再生するという意味があり厄除けの文様とされてきました。
「文化のみち橦木館」 その6
橦木館のステンドグラスはその6で最後となりました。今回は洋館2階サンルームの上部に嵌められたチェスを思わせるようなトランプ模様のステンドグラスです。これは今まで紹介してきた外されて蔵の中から見つかったというのではなく初めからここに嵌められていたようです。なぜ、この部屋だけステンドグラスが外されていなかったかは良く分からないようです。平成19年蔵から発見されたステンドグラスは家人でさえその存在を知らなかったということですから。
「文化のみち橦木館」 その4
玄関扉上部の台形欄間、それに続くホール扉縦長飾り窓、ホール扉上部の欄間など幾何学模様のアールデコ調のステンドグラスとは対照的なアールヌーボー調のステンドグラスも橦木館に見ることができます。玄関を入りホール右手の化粧室入り口に半円形の欄間に嵌められたステンドグラスはイチョウの木に佇むチルチルミチルの幸せの青い鳥を思い出させるような何とも暖かい雰囲気が漂ってきます。
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玄関ドアに嵌められた縦長飾り窓 |
化粧室入り口上部の半円欄間 |
左の写真は平成19年に2階応接室に外枠を嵌めて展示された縦長のステンドグラスと半円形のステンドグラス。右は嵌め戻された現在の化粧室入り口ステンドグラス。
「文化のみち橦木館」 その3
タイルで囲まれ装飾された外玄関を入ると内玄関があります。このドアには縦長の幾何学模様のステンドグラスが嵌められ、その上の欄間部分にもドア部分と関連性のあるアールデコ調ののステンドグラスが嵌められています。
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内玄関のドアに嵌められた縦長のステンドグラス |
玄関ホールと廊下をつなぐ欄間部分のステンドグラス |
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2箇所の欄間部分に2枚づつ嵌められているステンドグラス |
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外されていた欄間部分のステンドグラス平成19年10月外されていたステンドグラスが木枠を施し展示されました。ステンドグラスは外からの光線でその模様が美しく表現されるもので、光によって色が違って見えます。 |